嘱託産業医依頼を受付中です

長く健康に働いてもらいたい

東京商工リサーチの記事によると、2023年の建設業の倒産件数は1693件で前年の41.7%増のようです。

原因としては資材の高騰や、深刻な人手不足などがあります。経済産業省のデータでは日本の生産年齢人口は減る一方です。

このような日本の状況そして人材採用や定着の難しさに悩んでいる経営者は多いと思います。

この問題に対して産業医として明確な答えを出せるわけではありませんが、専門家として、産業医顧問先の社員さんに健康になってもらう方法はお伝えするこができます。社員が健康になれば、病気による休職や退職を減らすことができ、雇用の安定につながる可能性があります。

何をすればよいかというと・・・

答えは簡単で、社員の健康意識(ヘルスリテラシー)を高めればいいのです。

あっ、わかりにくいですね。

もっと簡単に言うと、社員が自身の健康に関心を持ち、具体的には食事睡眠に気を配ることや運動することです。産業医と協力しながら、会社としてそのようなことに取り組んではいかがでしょうか?

「健康のために、適切な食事を摂りましょう!良質な睡眠を意識しましょう!運動しましょう!」ということは簡単です。

専門家として、どのような食事をしたらよいか、どのようにしたら良質な睡眠がとれるのか、どのような運動をしたらよいのかをお伝えすることはできますし、実際安全衛生委員会でそのような情報提供をしています。

しかし・・・・

「これをすれば健康に良い」とわかっていてもなかなか続けられないのが人間の弱さですし、私も弱い人間ですからその気持ちはわかります。

自分がぶくぶく太っていて、運動もしていないのに「運動しましょうね!」と言ってもなんの説得力もありません。それでは人は動きませんし、そんな理想論や正論を伝えるだけの産業医にはなりたくないと思っています。

知識や情報を伝えるだけなら誰でもできますからね。

どうしたら人は動くのか?どうしたら社員さんが自身の健康に意識を向けてくれるのか?にいつも頭を悩ませていますが、今自分にできる第一歩は、背中を見せることだと思いました。

「正論を言うだけの医者ではなく、自分が実践している姿勢を見せよう!」それでたった一人の社員さんに良い影響を与えられるだけでもいいじゃないか、と。

そこで今年は・・・

ハーフマラソンにチャレンジすることにしました。

2022年の10月に駅伝大会に出た時、1キロ走っただけで息苦しくなり、その日はずっと呼吸が苦しかったのを覚えています。普段どれだけ運動不足だったかを反省しました。2023年は外科医をしている友人の誘われて、富士登山にチャレンジ。そのために低い山を登ったりして足腰を鍛えました。

2023年12月にハーフマラソンにエントリーし最初は1キロも走れませんでしたが、少しずつ距離を伸ばして最近は4~5キロなら走れるようになりました。

毎日忙しいし、さぼりたくなる日もありますが人さまによい影響を与えられる人間になりたいという思いで続けています。

産業医として関わる会社の社員さんたちには、健康な状態で定年まで働いてもらいたいと思っています。社員さんが健康で働いてくれれば、雇用の安定という意味でも、その会社にとってもプラスになりますからね。

社員さんに長く健康で働いてもらうために何ができるか、試行錯誤の連続だと思いますが、経営者や役員の皆さんと知恵を絞り、時には背中を見せて取り組んでいけたらと思っています。

こうブログに書くことで諦めたりさぼったりできなくなりました・・・

産業医杉浦