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産業医に求められる職場巡視のポイント(事務所・工場)

日本医師会主催の認定産業医研修会に参加してきました。
職場巡視に関する研修は実地研修の場合、倍率が高くなかなか当選しません。

今回は座学研修でしたので当選しました。
少し遅れて会場に着いたため、空いている席が見つからず会場後ろに椅子を出して聴講しました。

日本医師会主催の産業医研修は単位取得のために受講している先生も多くいます。
携帯をずっと見ている先生、しょっぱなぱらから寝ている先生、パソコンを開いている先生・・・
真面目にメモをとる先生・・・

色んな先生の姿を見ながら聴講しました。

今回の研修で学びになったのは巡視の際に衛生管理者などの担当者にする問いかけについてです。

どのような作業をどのような手順でどのような経路でどれくらいの時間でどの程度の頻度で休憩を入れながらしているのか?
といった問いかけはよくしますが、

今回自分ができていなかったと感じたのは、

「なぜ〇〇をしているのですか?」

とそれをするに至った経緯を聞く質問です。

掲示物に対して「なぜこの表示をここにしているのですか?」と問いかけることで、そこに掲示するにいたった経緯や会社の安全衛生に対する考え方を知ることができるかもしれません。

会社ですから衛生管理者の独断で掲示したのではなく、掲示するに至るまでになんらかのやりとりや考え方がある可能性があります。

また、法律で決められているものであれば(パワハラ防止など)、
「法律で決められているから」と答えられば、法律をしっかりと理解していると知識レベルを知ることができます。

もし法律をあまり理解されていないと思えば、次の安全衛生委員会で情報提供することができます。

もうひとつ勉強になったのは、そもそも巡視とは何か?
です。

一歩間違えると、不適切な部分を指摘するためとか専門家としての知識を教えるための巡視をしてしまうことがありますが、大切なのは働く方々が主体的に安全衛生活動に向かうことです。

そのためには、

巡視とは働く方々と協力しながら安全衛生活動を主体的に行うための手段

と捉えることで、専門家として上から目線でできていないところばかり指摘する巡視を防ぐことができると思いました。
専門家ってついつい正論ばかり伝えて、実行が難しい提案をしてしまうので(少なくとも僕は)、気をつけたいと思いました。

産業医
杉浦