今月は新しく契約する企業さんとの顔合わせと2件の産業医活動を行いました。
来月からはさらに10営業所の巡視がはじまるかもしれません。
なかなか忙しくなりそうです。
職場巡視のメリット
産業医が職場巡視をするメリットは大きくわけてみっつあると思います。
一つ目は、専門家ならではの指摘です。
産業衛生、医学の専門家として、働く人たちが気づかない点に気づけることです。
例えば、重い荷物の運搬が腰痛の原因になりうることは想像できても、繰り返されるひねり動作が腰に負担をかけることは知らないかもしれません。
それがちょっとした配置の変更で改善できるのであれば、産業医が巡視するメリットがあると思います。
二つ目は、無自覚になっていた危険個所の指摘です。
そこで働く人たちからするとその状況が当たり前すぎて改善しようと思わなかったことに気づき、指摘され改善されることです。
事務所の巡視をすると、
配線がむき出しになっていて転倒のリスクになりうる
キャビネットの上に書類などの段ボールが置かれていて落下の危険がある
キャビネットが固定されていない
などなど。
別に医師でなくても指摘できることなのですが、第三者である産業医が巡視時に指摘することで早急に対応される可能性があります。
三つ目は、先延ばし撲滅です。
えっと・・・いい名前が思いつかず「先延ばし撲滅」と書いてしまいましたが、うすうす気づいていたけれど業務の忙しさのため、ついつい後回しにしていたことを指摘され、改善のきかっけになります。
有効期限切れの救急備品、冷蔵庫の中の賞味期限切れの食べ物、キャビネットの固定なんかもそうですね。
こういったことも、産業医でなくても気づくとは思うのですが、巡視の際指摘されることで早急に改善するきっかけになります。
巡視の指摘ポイントをどう生かすか?
このように職場巡視のメリットはあると思いますが、巡視で指摘されたことが少しでも改善されなければ意味がありません。
先日巡視したある職場は前回の指摘箇所が早速改善されていました。
すべて改善されていたわけではありませんが、
「〇〇については会議で検討している途中です」との報告がありました。
一方
ある職場は前回の巡視で指摘したところが改善されていませんでした。
コロナの対応に追われているし、年度末で忙しいのもわかります。
ついつい
「お忙しいですもんね。時間ができたら少しずつ改善していってください。」
と言ってしまいました。
安全衛生委員会が「検討します!」とは言うものの、何も改善されない会議ならば意味がありません。
「時間は作るものだよ」
と、一瞬心の中で思ったのですがお忙しそうにしている姿を見ると、その一言が言えませんでした。
しかし、巡視しても忙しさを理由に何も改善されない状況が続いてしまってはいけないので、今後はほんの少しでも行動していただき、少しでも改善されるよう声かけしていきたいと思いました。
職場巡視報告書に行動計画&行動した内容&産業医のチェック
といった記入欄を作るといいかなと考えています。
日々、試行錯誤ですね。
産業医 杉浦