訪問させていただいた理由
とある会で現会長(2024年2月時点)の森崎様と名刺交換をさせていただき、ホームページを拝見したところ、健康経営や働き方改革に情熱的に取り組まれている企業様だと感じました。
産業医として働く人の健康を守りたい、定年まで心身ともに健康な状態で働いて欲しいという思いがありますが、たかが月に1回訪問するだけの嘱託産業医が
「健康診断の再検査行きましょうね」「この数値は放置しない方がいいですよ」「この値でこれだけの残業をして働き続けることは安全配慮義務違反に問われる可能性がありますから、就業制限が必要ですよ」
などとお伝えしたところで、できることに限界があります。
やはり、働く人により強い影響力を与えるのは経営陣の本気度や「やり続けよう」という姿勢だと思います。静岡コンサルタント株式会社様のホームページを拝見し、働く人の安全と健康を守るための活動をやり続けられている企業様だと思ったので、続けられる秘訣ややり続けたことによる変化をお伺いしたくて訪問させていただきました。
健康経営や働き方改革に取り組んだ成果
取り組んだ(いえ、正確にいうと経営課題として取り組まれていますので現在進行形です)成果についてお伺いしました。
①会社が「健康経営」をしていることを社員が知る機会になった
②2019年に比べ2022年は、時間外労働が総時間で30%減少
③収益が3倍
④顧客からの評価が上昇
⑤各種メディア(静岡第一テレビなど)による紹介や知事褒章他受賞
*訪問時にいただいた資料より抜粋させていただきました。
うまくいった理由をあえて敢えて上げるとすれば何でしょうか?
・若手のアイデアを取り入れて形に変えていった
・コミュニケーション量が増えた
・ありたい姿を考えたことで変化につながった
・行き詰った時に外部コンサルの力を借りた
・成果が見え始めたことで「変われるんだ」という意識が生まれた
・若手が会議の司会をした時などに思わぬ才能を発揮することに気づけた
所感
「こんな会社で働けたら幸せだろうな」が最初に思ったことです。
もちろんまだ実現できていない事もあるでしょうし、人がいる限り価値観が合わない人と仕事をすること等による不平、不満などもあるでしょう。
しかし、「変わり続けようとする姿」をトップが示し、PDCAを回しながら実践し続けている姿勢を社員は見ていると思いますし、少しずつ信頼関係が強くなっていき不平・不満が減っていくと思います。
大切なのはできていないことや足りないことよりも、できていることが増えき、変化を実感できることだと思います。
「どうせ言っても変わらない」ではなく、すぐには実現が難しいかもしれないけれど会社や働く人にプラスになることなら、経営陣や管理職がその課題に真正面から取り組み社員も一緒になって改善していき、「言えば何かが変わるかもしれない」というムードが会社の中にできていくことだと思います。お話をお伺いして、そのようなムードがある会社様だと感じました。
「長時間労働を削減すると給料が減るから社員が困る」という話をよく聞きます。私もそう思っていましたし、産業医として長時間労働のリスクを伝えながらも、「じゃあ実際に社員の給料面の問題も含めてどうやって解決するのか?」と聞かれた時に何も答えられませんでした。
しかし、静岡コンサルタント株式会社様のお話をお伺いして、残業時間を削減したことで集中力が増え、品質が向上し(もちろんいくつかの取組みの結果として)、売上があがり、社員の給料も上がっていると聞き、希望を感じました。
早くから残業時間の削減に取り組み、総残業時間が10,000時間以上減ったものの、そこで行き詰まりを感じたそうです。その時に株式会社ワークライフバランス様のプログラムを導入しさらに発展を遂げたようです。
私も株式会社ワークライフバランス様のプログラムには関心があり、近いうちに学びたいと思っております。学んだら産業医顧問をさせていただいている企業様にその情報やプログラムを還元したいと思っております。
参考リンク
・静岡コンサルタント株式会社様のホームページ
・株式会社ワークライフバランス様
・産業保健21
*様々な企業様の長時間労働削減の取組事例が紹介されています