はじめに
産業医学基礎研修会 夏期集中講座でヘルスプロモーション、健康経営、THP(心とからだの健康づくり:トータル・ヘルスプロモーション・プラン)などの講義や実習がありました。
産業医として保健師さんなどと協力して健康指導をする場合に、指導する側が明らかに不健康で太っていたり運動不足では説得力がありません。
私たち大人は(こどもも同じだと思いますが)信頼できる人、尊敬できる人の話は聞きますが、どれだけ知識が豊富であっても信頼できない人・尊敬できない人の話は(いやいやしか)聞きません。
これは過去に研修をしていてカラダで感じたことでもあります。
研修受講生のうち変化・成長しやすい人は、(向上心がある人はもちろんのびますが)僕に対して敬意をもった目で受講している人です。
どうせ生きるなら背中で語れる生き方をしていきたいと思います。
相手を変えようとするのではなく、自分が変化した姿勢を見せられる人、相手を信じて自分が変わる(←僕が好きな言葉です)
そんな生き方をしたいものです。
ということで、夏期集中講座を受講してから散歩、ランニング、筋力トレーニングを少しずつはじめています。
⇒中災防のTHPページへのリンク
2019年8月の歩数
Amazonで購入した腹筋ローラー⇒腹筋ローラーへのリンク
バネの力で戻ってくるので初心者でもなんとなくできた気にさせてくれる腹筋ローラーです。
Amazonの評価も高くおすすめです。
多くの人が挫折したり運動やダイエットが長続きしないわけは?
その理由をあげだすときりがありませんし、こういった心理的なことにおいては原因探しはあまり役に立たないので、詳細を長々と書くのはやめておきます。
産業医は医学の専門家であり、このような心理系の知識は医学部ではほとんど学びません。しかし、数多くの労働者の面談をしていると、健康の問題よりも、
・長続きしない
・先延ばしをしてしまう
・人に頼ることが苦手
・コミュニケーションが苦手で職場で相談できる人がいない
このような事に悩んでいる方の方が圧倒的に多いのです。
幸い、コーチングやカウンセリングのトレーニングを積み、心理学についても詳しい方だと思うので、医者だからといって健康に関することだけを話すのではなく、必要と感じれば心理系の助言もします。面談の際に、簡単なコーチングをしてやる気を出してもらったり、自信をつけてもらうこともあります。
話を元に戻します。今回はなぜ長続きしないのかについて簡単に紹介したいと思います。
長続きしない理由は、あえて理由をあげるとするならば
やると決めたことを忘れてしまう
現代人はとにかく忙しくいろいろなことにワーキングメモリーを使っているので、ダイエットや運動をしようと決めたことを忘れてしまう場合があります。
このような経験が多い人は、
今まででやると決めて続いたことは何か?
何があったから忘れずに続けられたのか?
と、過去の成功パターンから自分にあった忘れないための方法を思い出すといいでしょう。
何のためにやるのか?自分の心に耳を傾けていない
夏近くになるとテレビ番組でダイエット特集が組まれますが、それに影響を受けて様々なダイエットを試したり、通販番組につられてダイエットグッズを買ってしまったり(僕も同じような経験を何度もしています)することがあると思います。
ただ、それらは他人の意見に流されているだけですので、ダイエットや運動をすると決めた場合は、
・それをやることで何を得たいのか?
・それをやり続けるとどんな人生を送りたいのか?
・それをやらなかったらどうなるのか?
ということを時間をとって掘り下げるといいと思います。
その時に、自分の心が動くくらいに想像するといいでしょう。
たとえば、僕であれば体を絞ることで、おしゃれなスーツ、おしゃれな靴を履いている自分を想像すると楽しくなり、そうなるために運動しようと思いました。
また、洋服を買いに行って鏡に写った自分を見た時に、「マネキンみたいに着こなせていない!」とショックを受けている自分を想像すると、「運動しよう!」気になります。
「やる!」と決めていない
ダイエットだけでなく、仕事でもなんでも何か目標を決めて取り組む時、「やるぞ!」「よしやろう!」と決めることが大切です。
「当たり前じゃないか!!」と思われるかもしれませんが、そもそも決めるとは何か?
決める=●●●●●●●
と言葉を正しく定義する必要があります。
言葉の意味を正しく定義して、それが腹落ちすると目標達成しやすくなります。
どうぞ、「決めるとは何か?」を考えられてください。
そして、これが一番大切なことですが・・・
私たちは無意識(無自覚)に●●●タイミングを決めている
長続きしない一番の原因はこれかもしれない
高校野球やサッカーの試合を見ているとために、まさかの大逆転劇があります。
とても感動的ですよね。
テレビ的には多くの人が喜ぶ感動ドラマですので、何度も放映されます。
一方で、3点差、4点差・・・とついていき、選手たちや観客の中に諦めムードがただよう試合もあります。
そのような試合を見たり、ご自身が経験したことありますか?
1点差くらいなら「よし!挽回するぞ!」と士気を高めると思いますが、点差が開いていくとチームに諦めムードがただようことがあります。
これ、なぜでしょうか?
なぜ口に出して「もうだめだあきらめよう」と誰かが言ったわけではないのに、諦めムードになっているのでしょうか?
そして、点差がついても諦めムードにならずに士気を保ち、諦めムードにならないチームもありますが、
諦めムードになるチームと諦めムードにならないチーム
その違いはどうして生まれるのでしょうか?
このようなことを考えたことありますか?
僕はこの諦めのメカニズムが分かってから、いろいろなチャレンジで諦めることが少なくなり、長続きしやすくなりました。
(といっても、さぼったり3日坊主になることも相変わらず多々ありますが)
諦めムードになるチームと諦めムードにならないチーム
その違いはどうして生まれるのでしょうか?
諦めて長続きしない人と諦めずに続けられる人がいます。
その違いはどうして生まれるのでしょうか?
それは・・・
人は無意識(無自覚)にいつ諦めるか決めているのです。
2点差までは士気を保てているけれど、3点差がつくと一気に士気がさがってしまったチームは
「3点差ついたらさすがに無理だよね」
と無意識に思い込んでいるのです。
あなたがこれまでに「よし頑張るぞ!」と思ったけれど思ったように結果が出ないで諦めてしまったことがあると思います。
そしてそこにはあなたの諦めパターンが存在します。
例えば僕の場合だと、テレビのダイエット特集に感化されて「よしやせるぞ、腹筋割るぞ!」と思って筋トレを頑張るります。
多少、食事も意識して減らすようになります。
最初のうちは体重計にのって体重が減ってなくても「もうしばらく続けよう」と思うのですが、減っていない事実を3回くらい知ると、急に諦めてしまっていました。
何度も同じことを繰り返していましたが、
人は無意識(無自覚)に何が起こると諦めるかを決めている
という事実を知らなかったために、何度も何度も同じ失敗を繰り返しました。
あなたがすぐにできることとしては、この事実を知り、過去どのようなことが起きると無意識に諦め感が起きていたかを思い出してみてください。
意識できるようになると、変化を起こしやすくなります。
そして、自身の無自覚の諦めパターンに気がついたらどうすればよいのでしょうか?
ご自分で考えてみてくださいね。
ダイエットだけでなく、営業や人材育成などでも同じことが起きている可能性があります。
無意識に決めている諦めるタイミングに気づき、いつもと違う対応をすれば変化が起こり始めます。
産業医 杉浦
この記事の関連法律
労働安全衛生法
(健康教育等)
第六十九条 事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るた
め必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない。
2 労働者は、前項の事業者が講ずる措置を利用して、その健康の保持増進に努めるものとする。