Twitterでご活躍の産業医の先生が紹介していた書籍です。
『森林セラピー 養成・検定テキスト』です。
うつ病、抑うつなどのメンタルヘルス不調で休職した方は、
・活動性の低下
初期は体が重く外出もできない事があるけど、気分がよくなってきても出不精になってしまい、復職までの期間が長くなる人がいる。
傷病手当などの保証がしっかりとしていると時に甘えを生みだす可能性がある
・生活リズムの乱れ
メンタルヘルス不調による睡眠障害(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒)や昼寝などで生活リズムが乱れる人も少なくない。
生活リズムについて指導してうれない精神科医もいるため(僕がうつ病になった時も、精神科の先生からの指導は一切なく、生活リズムを戻すのに苦労しました。)、メンタルヘルス不調になったとしてもダラダラと寝るのではなく、起床時間は一定の時間に保る必要がある。
体力の低下
外出する機会が少なくなり、また寝て過ごす時間がなくなり筋力だけでなく心肺能力が低下することもある。
僕も2~3か月寝たきりの生活をしていたため気持ち的には外出できるようになってきたものの、体力がもたず数百mの歩行で疲れてしまっていた。
このような自身の経験もあり、また本人のためにも会社のためにも休職期間を無駄に長くしないために体力維持の必要性は強く伝えるようにしている
甘え
うつ病をはじめとしたメンタルヘルス不調が心の甘えからくるなどと、精神論や間違った知識をお伝えするつもりはありません。
ただ、メンタルヘルス不調で休職するとなると上司も「しっかり休むように、無理しないように」と優しく接することが多く、また先ほど記述したように会社の保障ががしっかりとしていると「お金も入ってくるしもう少しゴロゴロとのんびりしようかな」と思ってしまう人がいます。
といったことが起きる可能性がある。
これらの解決手段として、ある程度意欲が戻ってきた人に対して(本人が好きか嫌いかも大きく影響してくるけど)ハイキングや低登山を勧めることがあります。
メンタルヘルス不調になったとしても、難治性の病気を除いて、基本的には元のように会社で働けるくらい十分な、気持ち、生活リズム、体力、集中力、社会人としての態度が必要になります。
それらを得るための手段としてハイキングや低登山を勧めています。
一緒に低登山に行き、話をしながら病気をしたからといっても「病気をしたんだから配慮してよ」という甘えや病気後であることを利用した甘えは許されないことをやんわりと伝えることも必要です。
仕事は尊いものだ!
仕事させてもらえるだけでもありがたいと思いなさい。
という精神論をいうつもりはありません。
そうではなく、病気後であることを理由に、本人も会社側も不必要な配慮をしてしまうことは双方のためになりません。
後ろめたい気持ちをもちながら働くことが、本人の精神によい影響を与えるとは思いません。
社会人として誇りをもって仕事をして欲しいと思っています。
低登山をしながらそんな話もして、社会復帰に向けて前向きな気持ちをもってもらうようにしています。
産業医として、時間が許せば今後もこういう活動もしていきたいと思っています。
産業医
杉浦